急性咽頭喉頭炎(のど風邪)
いわゆる「のど風邪」のことを指し、喉の痛みを訴えて受診される多くの方はこの症状です。基本的にはウイルスが原因であり、細菌と違って抗生物質の効果は否定的で、かぜの治療においては御自身の免疫力が一番大きな役割を果たします。ただ、つらい症状を一日も早く取り去ることは非常に重要と考えますので、鼻の処置やのどの炎症部位に直接薬を塗布したりして治療を行います。
一言に「かぜ」と言っても症状は非常に多彩ですので、患者様に合わせた治療を行います。
慢性上咽頭炎
上咽頭とは鼻の奥の突き当りで、口蓋垂(のどちんこ)の後ろ側にある部分を指します。ここは空気の通り道で、ほこりや冷気、ウィルス、細菌などの影響を受けやすく、これらから身体を守るための免疫器官として働いています。
その一方で、絶えず外界と接触し、空気にさらされているため、炎症状態に陥りやすく、様々な症状の原因になりうると指摘されています。
具体的には、長期にわたる後鼻漏(鼻水がのどに流れ落ちる状態)、鼻の奥やのどの痛み・違和感・不快感、その他一部の頭痛や肩こりの原因になりうると指摘されています。
また、当院では炎症を起こしている上咽頭に鼻とのどから綿棒を用いて塩化亜鉛溶液を塗り付ける「Bスポット療法(EAT、上咽頭擦過療法)」と呼ばれる治療も行っております。
鼻咽喉頭異常感症
のどに何か引っかかる感じがする、何かできている感じがする、のどがイガイガ・ザラザラする、のどが圧迫されている感じがする、といった症状を感じる状態を総称して咽喉頭異常感症と言います。
診察により、炎症や腫瘍などの原因が判明する場合もありますが、喉頭ファイバースコピーと呼ばれる内視鏡を用いて観察しても、はっきりとした原因を見出せない場合もしばしばあります。
咽喉頭酸逆流症
咽喉頭酸逆流症は、胃酸が食道を逆流して喉や咽頭に刺激を与える症状です。発症すると、のどに痛みや詰まる感覚がある、声がかすれる、口やのどが酸っぱく感じる、胸やけがするといった症状が現れます。特に、喉の違和感としての原因となっていることが多いです。
ストレス、睡眠不足、 食生活(アルコールやカフェイン、食べ過ぎなど)の乱れによる胃酸分泌の増加や、 年齢により発症します。
急性扁桃炎
急性扁桃炎は、「扁桃」と呼ばれる喉の奥の組織がウイルス・細菌に感染することで起こる疾患の一つです。強い喉の痛みや、急な高い発熱、食欲不振などの症状が出ます。
ウイルス性の感染の場合は特効薬はないため、対処療法を行います。解熱鎮痛剤等の症状を和らげるお薬を処方し、十分な休息と水分補給行い、回復を待ちます。食事が全く取れない場合など、重度の場合は点滴治療や短期間の入院も検討されます。
細菌性の感染の場合、溶連菌など原因が特定できれば、それ合わせた抗生剤の治療を行います。
嗄声(声がれ)
嗄声、一般的には「声がれ」は、声の音が不明瞭でかすれて聞こえる症状を指します。
原因としては、感染症や過度な声の使いすぎによる声帯の炎症が原因であることが多いです。喫煙習慣も声枯れの原因となりえます。
稀に声帯におけるポリープや結節ができることがあります。当院では喉を見る内視鏡(ファイバースコープ)を使って、そのようなポリープ等が無いかを調べ、患者様にとって最適な治療が提供できるよう努めております。